空いっぱいに祈る恋 4

逃げ道は塞がれ今更戻る道すら見つからない。
いつもと同じ通学路、同じ様に学校へと向かう道を歩きながら真紀は他人と違う場所が無いのか不安でしょうがなかった。
少しでも気づかれたらと思うと不安で朝から何度も鏡を見直したのに次から次へと不安は募る一方だ。
「・・・っひゃ!」
肩を叩かれ奇声を上げた真紀はおそるおそる顔を上げる。
叩いた手をそのままに固まってる彼が友達の久慈直毅だとわかりほっと、胸を撫で下ろした真紀に直毅は不審そうに顔を覗き込んでくる。
「・・・何?何かあったの?」
「・・・・・別に、何も・・・」
戸惑う真紀に首をかしげたが直毅はそれ以上は聞かずに隣りを歩き出した。
「昨日はどうした?・・・風邪?」
「ああ・・・うん。具合悪くて、寝てたら治ったよ。」
問いかけに無理やり笑みを浮かべて答える真紀に問いただそうと口を開きかけ直毅は男らしく太い眉を歪ませる。
みかけの割りにかなり頑固な真紀を長年の付き合いで理解している直毅はそれ以上問い詰めても無理だと理解すると昨日の校内の事を語りだした。
ぼんやり、と話を聞きながら真紀は昨日の事を思い出していた。

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「・・・あっ、ああっ・・・かお・・る・・・さん・・・もう・・・」
「早いね、真紀。さっきもイッタばっかりだよ。」
余裕の声に息も絶え絶えの真紀はただ首を振り、もう、隠す気力も無い喘ぎ声を漏らしまくる。
ただ寝かせてくれると信じてた自分がバカみたいだ。
ご飯を食べ終わると同時にソファーへと押し倒され、朝から日の当たる部屋で足を開かされ薫を押し付けられてからかなりの時間が経ってる気がする。
その間、一度も抜かれる事なく散々喘がされたのに、薫はまだ真紀を離そうとはしなかった。
何度も中に出されたせいかぐちゅ、ぐちゅと鳴る水音はやけに生々しく響いてありえない場所も真紀の先端も白濁の液まみれで飲み込み切れない唾液が口の端から拭っても零れてくる。
今の自分の顔を見たくないとも思う。
きっと、みっともなく、汚い顔だ。
昨日から今朝にかけて散々馴らされた体はほんの少しの刺激だけでも敏感に反応する。
「んっ・・やっ・・・っあ・・・」
中のものがほんの少し向きを変えるだけでせき止められた先端から零れだす先走りに真紀は何度目かの限界を必死に訴えようと試みるが口を開けば喘ぎ声にしかならない。。
「しょうがないな。・・・真紀がこんなに変わるなんて、オレは嬉しいよ。」
笑みを浮かべ口付けてくる薫の言葉も理解できなくて真紀は喘ぎながらも解放を求めることだけが頭を占めていた。
奥を穿つ速度を次第に上げてくる薫に真紀は必死にソファーへとしがみつく。
やっと開放されたのはそれから数時間後で真紀はまともに立つ事すらできなかった。

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「真紀!どこ行く!!」
直毅が腕を掴み引き寄せた痛みで真紀は今、自分が下駄箱の前にいる事に初めて気づく。
「・・・お前、まじ平気?・・・風邪、良くなってないんじゃないのか?」
戸惑いながら問いかけて来る直毅に真紀は何も言えずに笑う事しかできなかった。
「教室まで一緒に行こうか?」
「ごめん。大丈夫だから。」
問いかけに答えると真紀は心配そうに見送る直毅と別れる。
直毅のクラスは一階だけど真紀のクラスは二階にあるから朝の登校時にはいつも下駄箱の前で別れる。
これ以上直毅に迷惑をかけない様にと真紀は気を引き締めると階段を登りだす。

昨日一日来ないだけなのに、普段なら何も気にしないのに直毅と離れるとまた視線が気になりだす。
「おはよう、新名。」
「・・・おはよう。」
かけられた声に間を置いて答えた真紀を気にも留めずに声をかけたクラスメートは仲間との話へともどる。
席へ着く迄にも数人と挨拶を交わしたけれど誰も真紀の変化には気づかなかった。
気にしすぎだと本当は気づいてる。
変わらない日常で浮いてるのは真紀の心の問題で実際は誰にも気づかれないほど些細な出来事で吹聴して回らなければ誰にも気づかれないと、分かってはいるのに違和感は消えなかった。
いつもの朝の光景だと分かっているのに心がついていかない
目を閉じれば簡単に思い出す一昨日から昨夜にかけての行為の数々が真紀を結局一日中悩ませ続けた。

「顔色、悪いけど、平気?」
放課後、何人かの仲の良いクラスメートに言われ真紀は曖昧に頷く。
そんな真紀に彼らは「お大事に、無理すんなよ。」と声をかけ去っていく。
重い溜息を漏らしのろのろと帰り支度をする真紀はだから気づかなかった。
真紀の方を見ながらこそこそと話してたひとつのグループに。
真紀を見る目が明らかに怪しいそのグループの視線には全く気づかずに真紀は教室を出て行く。

「今朝より、顔色悪くないか・・・?」
顔を見て眉を顰める直毅に真紀は「そんな事ない。」と否定する。
「いつもなら何でも言うくせに肝心な事言わないからな、・・・お前。」
呆れる直毅に真紀はただ笑みを浮かべる。
「誰でもいいから言わないと取り返しつかなくなるからな!」
別れ際釘を指すことを忘れない直毅に真紀は苦笑する。
直毅の姿を見送ったまま真紀は無理だよ、と思う。
親友にすら言えない悩みを持つなんて思わなかったのに。
誰に言えば良いのかも分からずに真紀は自宅へと歩き出した。

しばらく歩いてから違和感に気づく。
足音が複数付いて来るのに最初は勘違い?気のしすぎ?そう思ったのに今は後を振り向くのが怖くて真紀はつい走り出す。
足音は聞こえてて真紀は自宅までもう少しの所で手首を背後から掴まれる。
「!!」
声になる前に漏らそうとした声は大きな手で塞がれ背後から抱き寄せられる。
「おとなしくしようや、そうすれば、酷いことはしないし。」
耳元に吹きかけるように話す低く野太い男の声は少しだけ聞き覚えがあり目だけを真紀は動かす。
大きな手で鼻まで塞がれ少し苦しくて潤んできた視界の先には見たことある男がいた。
大島裕樹(おおしまゆうき)、確かそんな名のクラスメートだったはず。
彼の後に人がいるけれどあまり良く見えなくて真紀はもがく。
何で、こんな事になってるのか全く理解できずに抜け出そうとするが、強く腕を引かれ痛みに眉を顰める。
「あまり、暴れんなよ。痛いだけだよ。」
大島の背後から聞こえる耳障りな声にただ真紀は呻く。

「何で!・・・こんな事・・・」
近くの公園へと引きづられるように連れ込まれ真紀はやっと口から手を離され怒鳴る。
「・・・何で?って、別に。」
にやり、と笑みを浮かべ答える大島の他に二人居たらしくて真紀は未だに背後から抵抗出来ない様に抑えられている。
「・・・何がしたいんだよ。金でもせびるわけ?」
「捕らえたのはいいんだけど俺たちじゃないんだよね。・・・新名に用があるのは。」
答える大島に疑問を口に出そうとしてやってきた人を見て真紀はぱちぱちと瞬きをする。
知らない人だと思う。
見たことないはずだし、会った事もないその人は真紀を見て笑みを浮かべる。
がたいの良い男だった。
薫も身長はあるけれど彼はどっちかというとスリムなのだが目の前の男は身長も有り更にたくましいの言い方で合ってるのだろう体つきをしていた。
何か武道をしているそんな男だったが当然会った事などなかった。
「あんたが新名真紀?・・・薫の弟だろ?」
「義理の弟ですが、何か?」
低い声で問いかける男に真紀は憮然と答える。
内心、薫さん関連なら無関係じゃん!と思ってはいたけれど口には出さずに男を睨みつける。
「威勢が良いのが何処まで続くかな?恨むならお前の兄貴を恨むんだな。」
男の声に大島達が動き出し真紀を草地へと引きづり押し倒す。

すいません。こんな所で・・・痛い方向で何かどうしましょう。

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