「ほんの少しでも良いから・・・・・俺にも慎二を味身させろよ。・・・他人なら良くて友人は対称外?」
「・・・・・っ!!・・・浅葱っ、何やって・・・・・」
「今だけ、それでいいから・・・・・俺にもチョーダイよ!!」
酔ってそのまま眠りについていたはずの浅葱の行動に慎二の頭は上手く回転してくれなかった。 慎二だって浴びるほどとまではいかないけれどそれなりの量は飲んでいる。 だからこそ、上手く回らない頭でどうしてこうなっているのかを必死に考えた。 いつもなら有り得ない姿の浅葱を必死に部屋まで連れてきてベッドへと寝かせた。 自分だってそれなりに飲んだ酒のお陰で眠くて、ほんの少しだけの気持ちでソファーへと横になってきっと眠ってしまったのだろう。 違和感に気づいたのはがさがさと耳障りな音が響いてきたからと、あらぬ温もりを感じたから。 薄っすらと開いた視界は暗かったけれど、確かにそこに人はいて、そこまで考えて慎二は飛び起きる。 そうして、ズボンの前を開き下着をめくり下半身に顔を寄せる浅葱を必死で止めている真っ最中だと思い出し慎二は浅葱へと視線を向ける。 泣きそうな顔でそれでも慎二の下半身に蹲ったままの浅葱に溜息を零した。
「浅葱・・・・離れろって・・・・・」
「やっ!!・・・・・ねぇ、一度で良いから、俺ともしてよ、おねがい・・・・・」
縋る様に見上げてくる浅葱に慎二はどうしていいのか分からないままただ首を振る。 目の前にいるのが普段の浅葱とかなり違うのも気になるし、それにかなり酔っていたはずの彼がとても素面だとは思えなかった。
「だめ、だって・・・・・ほら、どけろよ・・・・・」
「・・・・一度で良いから、明日になったら全部忘れる、だから、慎二〜俺ともしてよ、しようよ。」
躊躇う慎二に必死で哀願しながらも浅葱は手で慎二のモノを扱きだした。
「・・・・あさ、ぎ!」
零れそうな喘ぎを殺しながら呟く慎二に浅葱はそのまま口をつける。 口の中へと含み、先を舌で舐めながら含めない部分を手でそのまま扱く浅葱に慎二は唇を噛み締める。 友人の性癖にはほとんど興味のなかった慎二は浅葱がどんな性生活をしていたのか知らない。 慣れたフェラは巧みで、とても初心者とは思えないまま慎二は育つソレを銜え込む浅葱の顔を唇を噛み締めたまま眺める。 ジュブジュブと音が漏れだし、暗い部屋の中淫蕩な音が響きだす。 堪えるのもそろそろ限界な慎二の顔を見上げた浅葱が更に強く啜りだす様に吸い上げるから、我慢も限界を越えた。 目の前がスパークするほどの快感と共に吐き出した開放感でほっと噛み締めた唇を解き息を吐く慎二の下で欲望を出したのにまだ勢いの衰えないソレから一端口を離した浅葱は顔を近づけてくる。
「・・・・・ねぇ・・・・しよう・・・・・。」
口の端についている白い液が何なのか分からない慎二じゃない。 笑みを浮かべ欲望に塗れた瞳を向ける浅葱から視線を逸らす事が出来ないまま慎二はこくり、と唾を飲み込んだ。
シャワーの熱で更に上がった体温を持て余し慎二は溜息を吐いた。 朝、何も知らない顔で自分を見る浅葱に慎二は自分の抱いた妄想なのかとも疑いたくなった。 それでも、微かに背に、腕につけられた爪の跡が生々しい現実を教える。 どうすれば良いのか、戸惑いながらも慎二は深い溜息を吐いた。
*****
「お詫びの朝食です!・・・・・どうぞ、お食べ下さい。」
シャワーから帰ると食卓テーブルに座りコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた浅葱が顔を上げると立ち上がり慎二を手招く。 焼いたパンの香ばしい香りとまだ焼き上げてからそんなに時間の経ってないだろう目玉焼きと端の方がジュージューと微かに音を立てているベーコンののった皿が並んでいて慎二が座ると浅葱はコーヒーを彼の横へとそっと置いた。
「悪い、わざわざ・・・・・。」
「良いって、冷めない内にどうぞ。」
パンの横にバターを置きながら続ける浅葱に慎二はいつのまに口の中に溜まっていた唾液をこくり、と飲み込むとパンへと手を伸ばした。 かちゃかちゃと食器の鳴る音だけが響く静かな部屋で慎二はパンを口に銜えながら浅葱へと視線を向ける。
「・・・・・何?」
視線に気づいたのか新聞から顔を上げる浅葱を背後の窓から日の光が照らし、染めた茶色の髪が透けて金色にも見える。
「ごめん、何か、久しぶりに日の当たる場所で浅葱を見たかな〜と思ってさ。」
「何だ、それ。・・・・・惚れるなよ。」
慎二の言葉に少しだけ照れた様な苦笑を浮かべた浅葱は黙り込むと、ぼそり、と呟いた。 慎二はただ苦笑を浮かべまた食事へと戻る。
「じゃあ・・・俺、帰るわ。ご飯、ありがと、な。」
「こちらこそ、だよ。昨日はありがと。・・・・・じゃあな。」
玄関先で見送る浅葱に慎二は手を上げるとそのまま部屋を出て行く。 居心地の良い空間、気の合う友人、そんな場所から一人外に出ると現実に戻った気がする。 ちらり、と部屋へと目を向けた慎二は振り切る様に歩き出した。 酒が入ってお互い酔っていた、だから昨夜は「夢」だと言い聞かせる。 まだ微かに熱を持った様に痛む腕も背も気のせいだとそう思いながら。
「慎二さん?・・・・・良かった、また会えた。」
人懐っこい笑みを向けてくる顔に慎二はただああ、と呟いた。
「俺、向こう行くから、ごゆっくり。」
背を軽く叩き耳元へとひっそりと呟き立ち上がる浅葱の背を見送り慎二はやっと目の前の彼、譲へと目を向ける。
「何?・・・・・何か用?」
「・・・・・いえ、特には・・・あの、今日はこの後、暇ですか?」
少し考えこみながらも、おずおずと上目遣いに問いかけて来る譲がこの前の夜を期待しているのに気づきはしたけれど慎二は答えようとしたその時に去った浅葱の視線に気づく。 ちらちらとこちらを伺っていたのか、目が合うと何気ないふりをして視線を逸らした浅葱を見た後慎二は答えを神妙に立ち尽くしたまま待つ譲へと視線を向ける。 体の相性だけは良かった。 機会があるならまた触れても良いと思っていたほど、だけど・・・・・。
「ごめん。この後、用事があるから無理、本当にごめん!」
立ち上がりながらも告げると、慎二は立ち尽くした譲に背を向けると浅葱の元へと歩き出した。
「・・・・・何?・・・・・話、終わったの?」
目の前に立つ慎二と、元居た場所に立ち尽くしたままの譲へと視線を向け戸惑う様に問いかける浅葱の腕を慎二は何も言わずに引くと彼を立たせる。
「・・・・・ちょっ・・・・・慎二?」
よろけながらも立ち上がる浅葱の腕を引きながら慎二は何も言わずに出口へと足を向け歩き出した。
*****
「慎二!・・・・なぁ、慎二ってば、どこ、行くんだよ!!」
店を出てもぐいぐい、と腕を引きながら無言で足早に歩く慎二の背へと浅葱は問いかける。 だけどその問いかけすら無視してただ手を引く慎二に浅葱はどこへ向かうのかも分からないまま通り過ぎていく町並みをただ眺める。 きらきらと夜の町を華やかに彩るネオンの海を足早に歩きながらどんどんと更にきつくごてごてに彩るネオン街の一つの建物へと慎二は有無を言わせず強引に浅葱を押し込んだ。 何度も足を踏み入れたその場所は浅葱にも見覚えがある場所で、手を放そうともがく浅葱の腕を強引に引き寄せると抵抗する体をほとんど抱きかかえる様に慎二は適当に選んだ一室へと浅葱を連れ込み、部屋で唯一存在を強く主張している大きなベッドへと強引に押し倒した。
「・・・・・っ!・・・・・慎二、何、考えて・・・相手が違うだろ・・・・・」
起き上がろうともがきながら不満をぶつける浅葱の上に抵抗を抑える為に乗り上げた慎二は目の前の男をただ真っ直ぐに見つめる。 体型はほとんど同じ、なのに以外と華奢な体、非力な浅葱。 薄茶色の髪がベッドの上乱れて慎二はこくり、と唾を飲み込むと抑えていた両腕を片手で纏め上げた。
「・・・・・慎二!!」
悲壮な叫びに構わず首筋へと顔を近づけ、匂いを嗅ぐ様に鼻を擦りつける慎二に浅葱はびくり、と体を揺らした。 顔を上げると信じられない様に怯えた目で見る浅葱と目が合い慎二はただ笑みを浮かべる。
「慎二・・・・・放せよ、なぁ・・・お前、どうしたいの?」
「・・・・・浅葱と寝たいかな、と。ここまで来たらもう諦めれば?」
「何で、俺、何かした?・・・・・こんなの、違うだろ、俺達、友達じゃ・・・・・」
「友達とは寝ない?・・・・・俺もそう思ってたけど、浅葱は別。忘れられなくてさ・・・・・凄く良かったんだよね。」
唇が触れそうな程間近で見つめたまま笑みを浮かべ呟く慎二に浅葱は眉を顰め口を開きかけて、息を詰める。 開いた口にねっとり、と押し付けてくる唇、口内を散々掻き回す舌に瞬間的に奥へと引っ込んだ舌を絡めとられ浅葱は目を見開く。 絡めた舌をそのままに吸い突いてくる唇に飲み込み切れない唾液を口の端から零した浅葱は唇を放された時には荒い息を吐いていた。 はぁはぁ、と息を吐く浅葱の口元へと指を当てた慎二は零れた唾液を拭うと舌を這わせる。
「・・・・・んっ・・・しん、じ・・・・・」
擦れた声で呟く浅葱の首筋を辿り胸元へと舌を這わせる慎二にびくり、と体が揺れる。
「浅葱、しようよ・・・・・ねぇ、キスだけで反応してるし、ここ。」
そう言いながら上目遣いに慎二は服越しに浅葱の少し膨らんだ乳首へと舌を這わせると口をつけ吸いつく。 下半身が微妙に熱を持ち始めるのを感じながらも浅葱は必死に首を振るのを止めない。 泣きそうに顔を歪ませる浅葱に慎二は溜息を吐くと顔をもう一度浅葱へと近づける。
「流されちゃえよ、たまには本能に従おうよ。・・・・・そしたら、どうして浅葱に興味を持ったのかも話してあげる。」
耳元へとひっそり、と呟きながらも下半身へと手を伸ばし、少しだけ勃ちあがったそれへと服越しに触れる慎二に浅葱はついにぽろぽろと溢れ出る涙を抑えられなかった。 ぺろり、と目元を舐めながらも何度もキスをしてくる慎二にいつのまに外されていたのか分からないままの自由になった手を伸ばした浅葱は彼の首筋へとおそるおそる腕を回す。 ぎゅっと力強く抱き返されキスを何度もされながら浅葱は堕ちていく自分を感じていた。
どこへ向かうのか分からないまま突き進む慎二君に流される浅葱君でした。
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